文章(ブログ)を書くことを大分サボっていました。

久しぶりに書こうと思います。

作品(?)

前回までで、大きな提出物としてリサーチプランとアブストラクトを提出したことを書いたと思います。

これらのうち、「リサーチプラン」は研究の安全性と倫理観を検証するもので、特別審査の対象になることはありません。

また「アブストラクト」もただの要約であるため、掴みや大まかな情報を提供することはありますが、審査において大きなウエイトを持つものではありません。

では、何を用いて私たちの研究をアピールするのでしょうか。

ProjectBoard

今年度は主に現地開催で行われますが、事前に審査員が参考にしたり、また一部審査をリモートで行ったりすることから、私たちは ProjectBoard に随時資料を提出します。

ProjectBoard トップページ / ProjectBoardより

ProjectBoard は、端的に述べると、発表ブースをインターネット上で再現することのできるプラットフォームです。

バーチャルブース / ProjectBoardより

大分修整をかけていますが、大まかなイメージはこのような形で、例えば PROJECT PRESENTATION にはプレゼンテーション用のスライド(画像)がアップロードされているという代物です。

このような形でバーチャル上でありながら、気になる研究発表のブースを徘徊している気分になれる、という代物らしいです。

コロナ禍を感じますね。まあそのおかげで、私たちは以前よりもたくさんの制作物が必要になっているようですが……。

バーチャルブース資料

そんなわけで、私たちは次の資料を作る必要がありました。

括弧内は JSEC の間での日本語通称です。

  • QUAD CHART(4分割表)
  • PROJECT PRESENTATION(12枚スライド)
  • VIDEO(動画)
  • HEADSHOT(顔写真)

以下、引用部分は公式ルールでの説明になります。

QUAD CHART(4分割表)

a. The quad chart summarizes the project in a single page for a quick overview by the judges. b. This representation of your project is intended to be only a summary and to be visual in nature. c. Appendix III provides complete instructions with format requirements and recommendations as well as sample templates. ――Quoted by Regeneron ISEF 2023 Display Guideline

クアッドチャートは、研究の概要を一枚を流しよむだけで把握するための表です。

ある程度の資料の形式がルールブックで決まっています。

Appendix 3. Quad Chart Instructions / Regeneron ISEF 2023 Display Guideline より

例えば、Scientific Question(研究動機・疑問)-> Methodology(仮説)-> Data Analysis & Results(データ分析・結果)-> Conclusion(考察・結論)といった風に、実験を詳しくではなく、ざっくりと A4 用紙に収めなければなりません。

情報の取捨選択が、キーワードになります。

PROJECT PRESENTATION(12枚スライド)

a. The project presentation is the primary vehicle to present the content of your project and replaces the project poster for your virtual display. Appendix II provides complete instructions of the format requirements and recommendations. b. There are three suggested templates based on project type: > i. Science Projects, > ii. Engineering Projects and > iii. Mathematics/Computer Science Projects. c. Project presentations will be required to be submitted by a set deadline and will then be locked for Display & Safety inspection prior to competition. ――Quoted by Regeneron ISEF 2023 Display Guideline

ISEF は現地にお越しの方々に対しては、ポスターを利用して発表しますが、バーチャルブースではその代わりとして、12枚のスライドが必要になります。

ちょうど JSEC でも同じルールで制作したものがありましたので、相方(共同研究者)がそれに則って、英語で作り直しました。

こちらも、情報の取捨選択が、キーワードになります。

PROJECT VIDEO

a. This video summarizes the project at a high level and will be used primarily for the public display of projects and should have the layman as the core audience. b. While judges will be given access to all materials submitted, it is advised that the video be a supplement to the project presentation slides. c. This video should feature the finalist(s) prominently on screen. An optional 1-minute demo video is allowed, if applicable to your project. Include this as the second item in the same section as your project video. ――Quoted by Regeneron ISEF 2023 Display Guideline

プロジェクトビデオでは、私達が映って内容を説明します。

もちろん現地でも似たような説明は行いますが、まあ似たようなことを説明します。

2分までというとても短い縛りがあったため、特に非英語話者である私たちには厳しいものがありました。主にセリフを短くまとめ上げるのが。

こちらも、情報の取捨選択が、キーワードになります。

HEADSHOT

ブスの顔を晒します。にっこりしましょう。

現地用資料

現地用にもポスターをつくります。

サイズは 縦 12inch x 横 (12 + 24 + 12) inch です。(3枚)

例年、文字の多い傾向で作られていましたし、それに沿って文章多めのポスターを作っていたら、どうやら今年は文章少なめの方向性が示され始めたらしく、ブチ切れ侍り散らかしながら血の涙を流しつつ泣く泣く文章を減らしました(それでも他の日本参加組に比べると豆みたいな文字)。

つまり、こちらも、情報の取捨選択が、キーワードになります。

PowerPoint でのテンプレートが配布される中、不安定になるのが嫌で、逆張り InkScape で戦いました。

Open Office XML (*.pptx) 形式で提出を求められることはなかったので、良かったです。

会合

もちろん、ここまで完成させる間にも、定期的に JSEC のチームで集まる瞬間がありました。

といっても私たちは東京まで行けずリモートですが……。

3月25日(土)オンライン NSS 研修会

こちらの研修会は、NSS の皆さまが主に進められる会でした。

アメリカでのイベントの様子や、持っていっておいたほうがいいものの講義から始まり、資料の制作の進行状況共有などを行いました。

カップラーメンを買うことにしました。

4月15日(土)、16日(日)事前研修会

現地組はソニー様の本社の会議室でコーヒーをいただきながら! どうやら! 参加したらしいじゃないですか!

羨ましいね! 私はリモートです。東京と山口は遠かった……。行きたかった……。

後日送られてきた写真の中にリモート以外のメンバーでとったらしい集合写真が入っていてとても嫉妬を感じたりしました。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」 / 映画「君の名は」より引用 公式ウェブサイト

来世は東京のイケメン男子にしてください。女子でもいいです。

SONY Corp. の凄まじい SUPER 研究者の方々から、ほぼ English で Questions を Throw されながら、ISEF へ向けての Language の Barrier という Death を感じつつ Presentation を Brush up しました。

総括

「作品」という言葉を使うのは、普通は、芸術や絵画だけかもしれません。

しかし、こういった研究の発表に関わるものを、共同研究者や、NSS や JSEC 事務局の皆さんと「どんな表現をしたら伝わるかな」などと考えながらじっくり作っているとこれもまた「作品」と呼べるような愛着が湧いてきたような気がします。

研究も芸術も、伝わらなければ意味がないとここまでの科学部人生の中で勝手に思っているので、こうした「作品」をこの方々と作り上げられたことはとても感謝すべきことなのだろうな、と強く感じています。

そんなこんなで、ISEF がいよいよ来月に迫ってきました。

ここまでいろんなことがありましたが、思ったより早かった気がしています。

まだ、地味にやることはたくさんありますが、地道にそして風邪を引かぬように、最後までやりきりたいと思います。

以上。

タグ: ,

カテゴリー:

更新日時: